アデレード暮らし

2001年から南オーストラリア州のアデレードで暮らし始めた私の記録

帰国者のホテル強制隔離が緩和される方向で動いている

自己隔離の範囲を海外からの帰国者にも拡大する試みが上手くいっているというニュースを目にしました。

現在、南オーストラリア州では、海外からの帰国者は強制的に空港から隔離ホテルに連れていかれます。

14日間のホテル滞在費は自己負担。大人一人目が$3,000。二人目からは$1,000。子供は一人$500。3歳未満は無料。ホテルから出ようものなら、罰金$1,000。感覚的に、大人一人目が30万円、二人目からは10万円追加。子供は一人5万円といったところでしょうか。

夫が日本からアデレードに帰省するとして、$3,000払って14日間ホテルで隔離してからでないと自宅に戻ることが出来ません。

お正月休みとかお盆休みとかゴールデンウイークとか、長いお休みを使ったとしても、自宅に少なくとも2週間くらいいてくれないと、家の修繕とか庭の手入れとかその他諸々の用事がこなせません。そうなると4週間くらい必要になります。さらに日本に戻った際に14日間の自宅隔離が必要となると、少なくとも合計6週間の休暇がなければ出来ない芸当です。そんなに休みが取れる企業って日本にある?

完全リモートワークだったら出来るのかな?

さて、今のところ、陽性と診断されるのは、ほぼほぼ海外からの帰国者。隔離ホテルのことをメディホテルと呼んでいるのですが、このメディホテル内で感染してしまうケースも多々あるのです。「陰性判定」を持って長い時間飛行機に乗って帰って来たのに、隔離場所で感染してしまうなんて、悲劇でしかありません。到着日を0日目と数え、5日目と13日目に検査を受けることになりますが、最悪なのは、13日目の検査で陽性判定がでてしまうこと。陽性になると、14日間の隔離です。ということは、さらに14日間。合計27日間の隔離です。メンタルやられてしまいます。

メディホテルでの感染を懸念する声に応えるために、また、メディホテルの負担を軽減するためにも、帰国者の「自宅隔離」が試験的に始まっていました。一部の帰国者を対象に、入国当日から自宅で隔離するという試みです。

今回その試みがうまくいったということで、ステージ2に移行すると発表がありました。対象は海外から帰国する兵士さんたちだそうです。

なにやら特別なアプリ(Home Quarantine SA app)があって、それが一日に3回「どこにいるか」をチェックするのだそうです。さらに、警察官が一日に一回(8pm-8amの間)「お家にいますね?」と実際に訪ねて来て、15分の間に姿を見せなければならないのだそうです。

このトライアルに参加出来る兵士さんの条件は、

  • ワクチン接種2回目が完了している
  • アプリをダウンロードする
  • 帰国前72時間以内の検査が陰性判定である
  • 基地から自宅まで自家用車で警察に先導されて帰宅する
  • 自宅は共有部分の無い住宅であること(エレベーターとかあったらダメ)
  • 0,3,5,7,9、13日目に検査を受ける

だそうで、この試みが上手くいけば、国外からの帰国者だけでなく、ロックダウン中の州で足止めされている人たちの帰宅にも繋がるのだそうです。

このアプリは個人のWiFiを経由して位置情報と顔認証技術を利用するものだそうで、政府に追跡されることになり、監視管理社会への危惧もすでにあると書いてありました。

批判はあるでしょうが、政府はクリスマスまでに海外にいるオーストラリア人と永住権保持者の帰国・帰省が実現できるように動いているんだろうな、と思いました。