アデレード暮らし

2001年から南オーストラリア州のアデレードで暮らし始めた私の記録

バリ島旅行記 バリのお寺の数

4月18日(金)(6日目/12日間)Ubud→Lovina移動中

ただいまロビナへ向かって車で移動中。

バリはお寺の数が多いことでも有名だ。家と家の間にお寺の屋根が見えるのは当たり前。いったい家なのかお寺なのか、家の敷地内にお寺があるのか、あるとしたらどうしてこんなにたくさんお寺の屋根が住宅街に見つかるのか。ウブドゥを歩いていて不思議で仕方がなかった。
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お供えの数も半端ない。常においてある。上にも下にも置いてある。いくつも同じ場所に置いてある。古いのもあれば新しいものもある。どういうタイミングでお供えするんだろう?

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車での移動は話をするのにもってこいの時間だ。ウブドゥで過ごした5日間で不思議に思ったことを一気にガイドさんに質問した。

*バリの小学校は7AMから11AM位までと、1PMから6PMまでの2部制。校舎が足りないからだ。(やっぱり。そうだと思った。30年前のマレーシアもそうだったからそんな気がした)

*満月と新月の日には民族衣装で登校する。(どおりで満月の日にみた子供達が民族衣装を身につけていたわけだ)

*お供え物はご飯を炊いたら神様にお供えする。(日本も同じようなことしてるじゃん)

*お供え物は一日に30個位作る。(ひぇぇ~~~!!)
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*お供え物はバナナの葉で入れ物を作って、花びらでデコレーション。(なるほど、お花は必須アイテムかあ。)

*神様は自然界のあらゆるところにいる。(日本と同じじゃん)

*人は死んだらまず「土」に還る、その後「火」に還り、最終的に「水」に還る。だから、お墓はあるけれど、そこに遺骨はない。まず土葬して(土に還り)、5年後に掘り起こして火葬して(火に還り)、灰になったら水に流す(水に還る)。(へぇぇぇぇぇぇ!!!大変なことだなあ。)

*バリはカースト制。でもインドのような差別的なものではない。4つのカーストがあって、一番上のカーストは長男が継ぐ。一番下のカースト(スードラ)は、末っ子の男子が継ぐ。カーストが違う人と話す場合は話し方が変わる。(いまひとつよくわらなかった。)


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ガイドさんの話を聞いて理解したのは、寺院とよばれているが、神様が祀られているから日本の寺院とは意味が違う。

各家に神棚があり、各一族が寺を持ち、各町内も寺を持ち、各村も寺を持つ。それから各地区にも寺があり、各州にも寺がある。ようするに、各集合体ごとに寺を持っているということだ。そして、寺というのは必ず3種類の神様(創る神、保つ神、壊す神)のことをいい、それぞれ別々に祀られている。だから、寺を持つということは、3つの寺を持つということになる。

そして、各自、自分にゆかりのある寺院にお参りをするそうだ。その数・・・きっと気にしてないと思う。

どおりであっちこっちお寺だらけなわけだ。

車に乗っていると、一つの塀に囲まれた集合体があって、
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その塀の中に家の屋根が見えればお寺の屋根も見える。塀のすぐ隣にはまた別の塀に囲まれが集合体があって、そちらにも家の屋根が見えればお寺の屋根も見える。そういう塀に囲まれた集合体がず~~~~~っと連なっている。いったいあの塀は何の集合体なんだ?お寺?家?と疑問に思っていたのだが、「家の集まり」だと分かってすっきりした。みんな自分ちの敷地内にお寺を3つ持っているというわけね。


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バリ人になったつもりで想像してみた。

自分の家に神棚(まあ、これは日本も同じ。)

親族が固まって住んでいるので、自分の一族の寺が3つ(創造神のブラハマ、維持神のヴィスヌ、破壊神シヴァ)。他の神様も祀っていたら、4つでも5つでもその数は増える。(日本的に考えたら、墓参みたいな感覚かなあ)

一族がたくさん集まって町内を作っているので、町内の寺が3つ。(これはどちらといえば近所にあるお地蔵様とかに手を合わせるのと同じ感覚かなあ)

町内が集まって村が形成されるので、村の寺が3つ。(これはきっと氏神様にお参りするとか、檀家寺にお参りするのと同じだろうな。)

村が集まって地区を形成するから、地区の寺が3つ。(うーん、これはきっと日本だと近所の大きなお寺や神社か。)

そしてまだまだきっといろんな行政管区があって、それぞれ3つ寺を持ち、(うーむ、自分の住む県で一番大きいお寺や神社にお参りする感覚かな。)

そして最終的にバリ州のお寺が3つ。(これはきっと各宗派の本山とか伊勢神宮などのとっても大きな神社へ行く感覚かな?)

さらには、山、湖、川とか海とかも寺x3を持つ。(日本にもあるよねえ。山とか湖とかに神社が。)

気が遠くなる位のお寺の数だ。でも、ほんと、日本と似ている。バリの寺というのは日本でいうところの神社仏閣だろうが、日本では神社仏閣だけではなく、お地蔵様もいれば、ほこらなどもある。これらをすべて同じ単語で呼んだら、日本もバリのお寺の数に負けてはいないくらいお参りする対象を持っているというわけだ。いやいや、日本はバリ島よりも広い。数的には圧倒的に日本の方が多いと思う。日本人だったらバリ人の神様に対する感覚を理解できるとつくづく思った。(一神教の文化で育った人たちには理解が難しいかと思われる。)

おもしろいなあ。同じように形成されてきた宗教観。でもこれは人間が生きていく中で自然と培われる感覚なのかもしれない。身近なところに様々な神様を感じ、感謝する。祖先を大切にし、自然を敬い、そして畏れる。