アデレード暮らし

2001年から南オーストラリア州のアデレードで暮らし始めた私の記録

⑬うちの子をバイリンガルに!の軌跡 長女9年生(中3)

9年生になり、新しい学校にもなじみました。補習校では、ついに、中学3年生です。
 
もともと本が好きな子でしたが、宿題が増えるにつれ、読書量が激減しました。それまでは毎月本屋さんへ行っていましたが、まだ読み終えてないから今月は行かなくていい、という事が増えました。日本語の本はなかなか読む時間がありません。国語の教科書を読むのが精いっぱいです。国語便覧まで時間が回りません。でも、英語で好きだった本の訳本を読んでいました。
 
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時間がないと言いつつも、ネットをする時間はあるようで、日本のお友達とSNSで交流していました。また、嵐が好きなので、嵐司会のTV番組は録画して送ってもらったりして見ていました。
 
オーストラリアの11年生向けの日本語のクラスを、週に一度、School Of Languageで取るようになりました。日本語的には全く問題ないのですが、9年生が11年生の授業を取るわけで、最初の3者面談で言われたことが、「書くことは出来ているけれど、深さが足りない。」でした。人間としての中身が9年生だということで、11年生並みの思考に達していない、ということです。もっと深く考える練習をしましょう。というアドバイスをいただきました。
 
もっと深くだって。どうやったらいいの?そうねえ、もっと、「どうして」とか「なぜ」って部分を書くようにしたらいいんじゃないの?えええええええ~~~~~・・・
 
現地校3者面談では、いつものごとく、全く心配ない。このまま続けてください。と言われるばかり。先生、そう仰っても、オール7ってわけじゃないんですから、どうやったら7が増えるんですかねえ?
そうねえ、もっと深く書いたらいいと思うわ。
 
 
・・・
もっと深くだって。日本語の先生にも同じこと言われたね。
 
もっと深く考え、深く書きなさい。と面談して頂いた全員の先生から言われました。そうすれば、成績が1段階上がるよ。この6が7になるよ。
 
日本語の先生にも、現地校の先生にも全く同じことを言われたので、娘の書いたレポートをいくつか見せてもらいました。
読んで納得。
ああ、ほんとだ。もっと深く書きなさいよ。(笑)
 
というわけで、この年の課題は、「深く考え、深く書く」と決まりました。
 
原因や理由を今まで以上に詳しく書いたり、「沢山」とか「いっぱい」ではなくて、具体的な数字を使って書くようにしたところ、5だったものが6になり、6だったものが7になって、本人もビックリ。
 
おおおおお!先生のアドバイス、すごいね!ちょっと加えたり変えたりしただけなのにね。と本人は大変感心しておりました。
いや、だから、それが深く、ということなんだよ。わかって良かったね。
 
一年が終わるころには、深く書けと言われることがなくなり、すべての科目で成績がアップ。諦めかけていた成績優秀者賞を貰うことが出来ました。
 
幼稚部から通った日本語補習校も、晴れて中学部卒業となりました。「日本の中学校に編入しても、まったく問題なく授業についていけると思います。この国語力があれば、日本の社会に出ても大丈夫ですよ。素晴らしいです。」とお褒めの言葉も頂きました。
 
いやあ、よく頑張りました。
お母さんに感謝しましょう。(byお母さん)
 
本当に私、バイリンガル育児、頑張りましたよ。15年間ですよ。15年間。
長かった~~~~~。
 
次女のバイリンガル育児は小5でやめましたけどね。
親だけが頑張ってもダメ。
子供だけが頑張ってもダメ。
子供に押し付けてもダメ。
 
親だからこそ見える、子供の性格、タイプ、能力、人格
 
言語が得意な子もいれば、苦手な子だっている。
困難に立ち向かって真っすぐ進む子もいれば、困難を避けて横道に行く子だっている。
 
バイリンガルになることが良いことなのか、必要なことなのか、大切なことなのか、
人それぞれ、いろいろな物差しを使って判断すればいい。
 
長女の場合は、がんばり屋さんだし、日本が大好きだし、本が好きだし、書くことが好きだし、先生や友達に恵まれたし、毎年日本の学校に通ったし、現地校の成績も問題なかったし、親の叱咤激励(?)を素直に受け入れる性格の持ち主だったから、日本語を母語として維持出来る環境と彼女の性格が上手く作用したと思います。
 
日本語については、義務教育課程を修了したので、親の役目も終わりです。今後、身につけた中学3年生レベルの日本語をどうするのかは、本人次第です。
 
もともとは、アイデンティティーについて思うことがあったためにバイリンガル育児を目指したのですが、娘を見ていると、うまくオーストラリアのコミュニティーに溶け込んでいる様子です。このままオーストラリア人になるのかなあ?まあ、それでもいいかな?と思えるようになった今日この頃。
 
さあ、いよいよ高校生。大学進学の準備が始まる学年です。どうなることやら。