南オーストラリア州を代表する観光名所・カンガルー島では、森林火災の被害が言葉を失うレベルに達している。
死者2名。
島の約1/3強が焼失。
有名ホテルが全焼。
カンガルー島は、島の南に野生のアザラシが見られる場所があって、島の西に大きなナショナルパークがある。島の東側には空港と中心となる町(キングスコートとペネショー)が2つあって、フェリーのりばはペネショーにある。今回の火災で島の西側が焼失し、道路が封鎖。島の観光名所がほぼほぼ被災したことになる。人々が安全でいられるのは、東側のキングスコートとペネショーのみ、となっている。
通行止め地域(安全確認作業が済んだところから解除している模様です)
5日正午現在
警察は居住者の安否確認を完了。
政府は被災世帯を対象に日常品を購入するための費用を1家族あたり700ドル(または大人1人あたり280ドル)を上限に支給決定。
電力会社は電力復旧作業中
水道局からは、島内の中心地キングスコートやその周辺に生活水を供給している上水道施設が大きく被災したため、その他の地域でも必要でない水道の使用を控えるよう情報発信中。
電話会社は通信システムの復旧作業中。
フェリーは島から避難する人を島外へ運び、救援物資や救助隊を島へ運ぶために運行中。チケットを持っている観光客に対しては全額払い戻しに応じている。
空港は機能している。だけど「観光客はご遠慮ください」状態だと思われる。
獣医救急治療団体South Australian Veterinary Emergency Management (SAVEM)は、島の野生動物を島外へ運び出さないでくださいと情報発信中。コアラを含め、島の野生動物は島内で治療・保護されなければならない。今回の火災で負傷したコアラを観光客がアデレードに連れ帰って治療したケースが報告された。残念ながらいったん島外へ連れ出されたコアラは島へ戻ることが許されない。なぜならカンガルー島のコアラはクラミジアに感染していないため、島外で「感染」してしまったかもしれないコアラを島へ戻すことが出来ないからだそうだ。人間の親切が仇になってしまったケースとなってしまった。
島に行く必要のない人は島に来ないでください。
観光目的の人は計画を考え直してください。
島から脱出しようとする人が大勢いるこんな状況で誰が行こうと思うのか?と思っていたら、
被害のないホテルから予約客に「キャンセルしないでください。来てください。」と連絡が入っていると知った。キャンセルに応じないホテルもある模様。
今の状況でどうしてホテルは予約客を呼び込むのだろう?
被害の無かったホテルにとって予約キャンセルは死活問題だからだとは思うけれど、島では節水のため、「洗濯もシャワーもご遠慮ください」状態です。島の西へは行くことができません。野生のアザラシもきっと避難中です。普段、島の東部に生息している野生のペンギンたちですが、この時期は夏休みで南極方面にお出かけ中です。街は避難してきた住民で溢れ、人々が忙しく被災者支援をしていることでしょう。いくら東部が被災していないとしても煙の臭いはするだろうし、ホリデーにやってくる予約客にとってちっともホリデーにならない状況かと思われます。ホテル側の気持ちもわからないではない。けれど、やはり観光客は今カンガルー島へ行くべきではないと思います。
どうか多くの予約客に現状が正確に伝わり、現場が今以上混乱しませんように。
今日のアデレードは久しぶりの雨。恵の雨。癒しの雨。救いの雨。
沢山の鳥が嬉しそうに鳴いていた。
多くのブッシュファイヤーが沈静化に向かいますように。
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現在、援助してくれるならば物資ではなく金銭を、と呼び掛けています。物資は保管場所の確保が出来ない状況だそうです。