アデレード暮らし

2001年から南オーストラリア州のアデレードで暮らし始めた私の記録

潜水艦計画に変更、原子力潜水艦を建造へ

オーストラリアは原子力潜水艦アデレードで建造すると発表。米英と協力とのこと。フランスはどこへいった?

AUKUSというパートナーシップ協定が発足。何かと思ったら豪英米AU UK US)という意味だった。ちなみに、ANZUSというのもあるそうだ。豪ニュージーランド米国。

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モリソン首相は、米英と共同で原子力潜水艦を建造することに合意したと発表。複雑化するインド・パシフィック地域に対応するため、3国が協力しあう。核兵器は装備しない。900億豪ドルの予算で複数(少なくとも8隻)の潜水艦を建造。原子力潜水隊とかいうのかな?今後18か月で話し合いを詰める。これに伴い、フランスとの潜水艦事業は中止。国防省は歓迎。フランスの全駐米大使は「(フランスは)後ろから刺された」とコメント。

アタック級潜水艦から原子力潜水艦への変更は、「気が変わった」からではなく、「目的(ニーズ)が変わった」から。最終目的に変更はない。オーストラリアの首相として、自国の国防を最優先に考えた結果こうなった。フランスも(同じ状況になれば)同じことをするだろうし、わかってくれるはずだ。(モリソン首相談)

フランスと5年くらい具体的な話し合いをしていたはずだったけど、世界情勢も変わって、協力相手を変えたということか。フランスにとってオーストラリアの潜水艦事業は日本との入札競争に勝って手にしたものだったけど、オーストラリア人相手に苦戦した。

この5年、調整が上手くいかなかったということに尽きる。いつになったら先に進むんだろう?と頭の隅っこの方で気にしていた。だって全然進んでない印象だったから。

とにかくアデレードでの話題は「雇用」。それに尽きる。雇用。雇用。雇用。雇用さえ生めば政治家は支持される。まあそういうものか。

ASC(Australian Submarine Corporation)に700人もの雇用を生むと期待されていた潜水艦事業、南オーストラリア州(オスボーン)で造ってメンテナンスするはずだったのに、いつの間にか西オーストラリア州の施設を拡大してそちらで造るとかメンテナンスするとかいう話が出てきたりして、は?そんなの認めない、とかなんだかんだやりあっていたら今回のことになったってことか?フランスにしてみたら、トンビに油揚げをさらわれたみたい。

アデレード南オーストラリア州)は慢性的な技術者・熟練工不足。組織の上の方の人間は他州や他国からひっぱってくれば良いとしても、手足となって働く人間が足りないということだと思う。州政府は中高生を一生懸命「そっち」方向の進路に導こうとしている。私も実際、インテリアデザインに興味がある高校生の次女に、「潜水艦の中のデザインとかどう?ほら、インテリアデザインじゃん?潜水艦の中のキッチンとか寝室とかさあ。」と潜水艦分野での雇用は堅いに違いないと思って背中を押してみた時期もあったけど、全然響いてない。まあとりあえずCADを使う方向で進んでくれているからまだ少しは「そっち」方向への進路も可能性はあると思ってるけど。そっち方向の雇用を見込んでフランス語をとっている人たちにしてみたら、当てが外れたことになる。

オーストラリアはウラン(ウラニウム)の輸出大国ではあるが、自国内での原子力発電所建設やその他の原子力利用を禁止している。そのため、原子力利用に関連にする法整備も必要となる。

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