サント島２日目。
ビルビルビレッジへ行く個人ツアーに申し込んだ。
昔ながらの伝統的生活をしている人たちの村を訪問するツアーだ。
８３も島があるバヌアツ。以前は、それぞれの島に独自の伝統を持つ人たちが住んでいたようだ。
しかし今はその独自性も薄れつつある。
今回訪問する村は、自分たちの文化やしきたりを守るために、別の島からサント島の保護地区に移り住んできた人たちだそうだ。
朝8時半、お迎えの車が来てくれた。これから行くところは奥深い森の中なんだろうな・・・と暗示させるようなタイプの車だった。案の定、車でガタガタ道を揺れること30分、どんどん森の中へと入っていく。
数々の村を通り過ぎ、いい加減具合が悪くなってきた頃、車は村に着いた。
なにやら骨が落ちていて、不気味さを際立たせる。子供達は震え上がり、これから何が起きるのか不安で仕方が無い様子だった。
私達が到着すると、木魚に構造が似ているものをたたいて村の人間に知らせた。
どうやら、普段は洋服を着ているのだけれど、私たちのために、民族衣装に着替えてきてくれるらしい。
しかしまあ、その行動の遅さといったら・・・
大人はすぐに着替えて来てくれたけれど、子供達が恥ずかしがっているのか、嫌がっているのか、ちっともいうことを聞かないで逃げ回っている。待つこと一時間、ようやく、本日の担当であろう全員（10人）が揃った。村には10家族70人が暮らしているそうだ。（子供は50人！）
まず最初に歓迎のダンス。
私たちも一緒に踊れとガイドさんに言われ、ステップを習って一緒に踊った・・・
そしてその後４曲歌って踊ってくれた。
そして村のツアー開始。
先ず見せてくださったのが、女性たちの仕事である、籠の編み方。
パンダナスの葉を取って、火であぶって柔らかくし、細く裂く。そして色を染める。今回は黄色に染める。
染料はショウガに似た植物。一瞬イモムシに見えた・・・（汗）
火をおこし、葉を丸めて竹筒に入れ、
竹筒に水とすりつぶした染料を入れて火にかけるとあっという間に黄色になった。
それを１週間ほど乾かしてから、編み始める。
大変な作業です。
そういえば、オーストラリアのアボリジニの人たちも、こうやって草で籠を編んでいた。
日本人だって同じことをしていた。人間、どこでも考えることは同じだ。
次は、カヴァの作り方について。
「地球の歩き方」によると、カヴァは、一種の麻薬である。コショウ科の植物の根を煎じて作られた催眠性のある飲み物だ。
村の人の説明によると、
カヴァは、神聖な飲み物で、お祭りなど、特別な時にしか飲まない。
主に男の人が飲む物だが、女の人も飲む。ただし、女性は男性の前では飲まない。
男性と女性ははっきりと生活圏が分かれていて、カヴァを作るのは男の子の役目。
でもカヴァが飲めるのは１７歳だったかな？それくらいになってから。
だから、作り方だけを年長者から教わる。
カヴァ畑を案内してくれた。小さいカヴァの苗。挿し木をして増やす。これはまだ数週間しか経っていないカヴァの苗木。
そして、この家の横に生えているのが８年経ったカヴァの木。これくらいに成長してからカヴァを作る。
カヴァの根をつぶして・・・水と混ぜて・・・
はい、出来上がり。・・・・ ダンナだけありがたく頂きました。
砂絵も描いて見せてくれた。この村は森の中にあるので、海岸の砂ではなく、囲炉裏の灰をつかってのアートだった。
最後にピンクグレープフルーツが登場。おいしかった＾＾
村長さんが、本当に丁寧に、時間をかけて説明してくださいました。
そして、何度もおっしゃっていました。
「高いお金を出してバヌアツに来てくれてありがとう。バヌアツを知ろうとしてくれてありがとう。」
こうして、
わたしは今回の旅の目的を果たすことが出来たのでした。
バヌアツの人たちはどんな暮らしをしていたのだろう？
どんな人たちなんだろう？
そういうことを少しだけでもいいので知りたいと思ってやってきたバヌアツ。
来てよかった。
＾＾
ホテルに戻ってからはのんびりしました。
ハンモックから足を出しているのは私ではありません。念のため。
