幸せなことに、最後の宿泊地には2部屋寝室がある。そこで、暑がりでエアコン大好き派の夫とハルが同じ部屋。寒がりでエアコンあまり好きじゃない派のナツと、なんでもいい・どうでもいい派のアキが同じ部屋で寝ることになった。
蚊の羽音もネズミの足音も気にしなくてすむこのリゾートで、ゆったりとした気持ちでナツは眠りについた。
快適だったはずの睡眠が妨害されたのは夜中の2時を回った頃だった。
「寒い!」
ナツは寒さで目が覚めた。部屋の中では冷気が充満しているようだった。
「寒すぎる!」
ベットの横のライトをつけて横を見ると、アキがシーツにくるまってエビのように眠っていた。
どうやら彼女も寒いらしい。
消したはずのエアコンが動いている。おかしいな。リモコンを探して、さて、何度に設定されているのだろうか。
18℃!!!!!
じゅうはちど!ジュウハチド!!?
ナツは自分の目を疑って二度見した。
何回見ても18℃である。
いくらなんでも18℃はダメでしょう。凍える・・・
ナツは急いで設定温度を上げた。
19、20、21、22、23、24、と24度まで上げた時、ナツは思った。
まさか今度はクーラーからヒーターになるかも?
いくらなんでもヒーターはダメでしょう。電気代がもったいない。
そこで、ナツはエアコンの電源を切った。
シュルルルルルrrrrr~
エアコンは停止した。ひんやりとした室内がシーンとなり、ザザザザ~と波の音が聞こえた。
「まだ寒い。」
ナツはアキが蹴り落としているベットカバーを拾い上げて自分に掛けた。
シーツ一枚。ベットカバー二枚。なんとかこれで良し。
アキも寒そうだけど、そのうち室温も上がってくるから大丈夫だろう。
そしてまた眠りについた。