アデレード暮らし

2001年から南オーストラリア州のアデレードで暮らし始めた私の記録

ボランティアしづらい世の中になってきたなあ

以前はこんなに堅苦しいものではなかったよなあ>学校でのボランティア

子供が小学校に入学すると、毎朝教室まで保護者は送り届ける。教室に着いてすぐに始まるのが「朝の読書」。10ページくらいの短い本を、声に出して、大人の人に聞いてもらいながら読む。先生一人では時間がかかって仕方がないので、残れる保護者が3-4人、自発的に一人ひとり聞いてあげる。ネイティブではない私でも、聞くくらいならできるからと、毎朝15分ほど子供達が読むのを聞いていた。

遠足などの課外活動に出かける時には、先生から「車出せる方~」「一緒に引率してくれる方~」とお知らせがくるので、都合のいい日には「は~い」と返事して一緒に出かけていた。車を出す時(自分の子供以外にも子供を乗せる場合)にはあらかじめ事務所に免許と保険を見せに行く必要があったなあ。動物園にも行ったし、博物館にも行ったし、ビーチにも行ったし、プールにも行ったぞ。

図書室でもキャンティーン(購買)でもいつも「お手隙な方、手伝って~」と人を探していた。本相手に黙々と作業するくらいなら、英語が出来なくてもOKだよなーと思って、子供が上級生になって朝の本読みのお手伝いをする必要がなくなった後は図書室で本棚の整理を手伝っていた。

こういうのって全部 保護者ボランティア。

特に資格もいらなかったし、英語が出来なくたって、何とかなった。気楽に、暇だから手伝うわよ的感覚で参加していた。

この頃 巷では、学校や施設内での子供への虐待がニュースになるようになった。聖職者や教員による幼い生徒への性的虐待だの、教員の心無い一言による精神的虐待だの、SNSの普及による校内でのいじめだの、メディアが騒ぐようになった。

教育省が動いた。

ボランティアでも犯罪歴チェックが必要になった。まあ、これはボランティアする側は無料なので、金銭的負担はないけれど、用紙に記入するなどの手間が発生。
気軽に他人様の子供を自分の車に乗せて課外活動へ行くこともなくなった。

さらに、子供と二人きりになってはいけません。
子供に触ってはいけません。
子供を抱きしめてはいけません。(たとえ転んで泣いていたり、お母さんに会いたくてさみしくて泣いていても。)

なんだかんだとうるさく言われるようになってきた。

さらにさらに、生徒と関わるボランティアは、講習を受けてください。
といわれ、何が子供への虐待なのか、こういう状況に遭遇したら誰に通報すればいいのかなどのビデオを見て話し合った。修了書をもらって、5年間有効ですよ、と言われた。

そして今回、
またしても、1時間のクラスを受けて欲しいと電話がかかってきた。虐待とネグレクトについての講習だそうだ。
ルールが変わって、今までのはすべて無効になったから、全員が受けなおさないといけない。と言っていた。
え~~~。。。私2年前に似たようなの受けたのになあ。
今回のは3年有効らしい。(ルールが変わらなきゃね。)

ボランティアするのに講習受けて、犯罪歴チェック受けて、ボランティア活動日程を事務所に提出する。

やっかいだなあ。

校長先生が年に一度開く「ボランティア感謝お茶会」での会話:

校長:「ボランティアしてくださーい。ボランティア歓迎!でもボランティアするなら講習受けてね。犯罪歴チェックもするわよ。と言わないといけなくなりました。」
ボランティア保護者全員:「ボランティアしづらい・・・。新しい人来なそう。」
校長:「私も本当にそう思うけど、仕方がないよの。見捨てないで~~~」

ボランティアしづらい世の中になったなあ。
でも仕方がないことでもあるんだろうな。
そういうご時世なんだろうなあ。

「子供の安全が最優先」

でもなあ、一部の心無い人達が起こした事件のせいでこんなことになったのかと思うと面白くないなあ。